「私はやめない」
――聖子は静かにそう話した。
2018年、空前の労働組合弾圧事件が関西ではじまった。
業界ぐるみの大量解雇、そして、警察・検察がつぎつぎに組合員を逮捕していく。
家族が引き裂かれ、多くの仲間が去っていった。
それでも彼女らが踏みとどまるのは、なぜか。
introduction イントロダクション
病弱な子ども、シングルマザー、非正規雇用。 生コン車のドライバーとして働く中で目にした〈関生(かんなま)支部〉 「労働組合って、何やろな──」
労働組合に加入したことで、 賃金は上がり、女性ならではの働きづらさも改善していった。 仲間たちと活動する中で人生観も変わっていく。 そんな組合を襲った弾圧。 仲間たちや家族、自分自身も捜査の対象に。
「捕まるかもしれないし、やめたほうがいい」 誰も、何も悪いことはしていないのに──
受賞歴
- 2023年 第11回 日隈一雄情報流通促進賞2023 奨励賞
- 2023年 貧困ジャーナリズム大賞2023 特別賞
上映会情報
上映予定
● 東京 10月8日(水) 東アジア・レイバーフェス
19時~21時 @ 上智大学四谷キャンパス 図書館棟
『ここから』『われら生コン労働者』2本上映
● 韓国 10月24日(金) 第12回富川労働映画祭
18時30分~
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世にも不思議な物語
出来たてホヤホヤの生コンクリートを、ミキサー車 で運ぶ。その仕事で3人姉妹を育てている女性運転手 と仲間の泣き笑い。「関西生コン」の闘争は関西では よく知られているが、もっと知ってほしい。この映画 は名前だけは有名な運動を担ってきたひとたちの実像 を通じて、日本の危険な状態がわかりやすく示されて いる。
労働者が権利を主張すれば恐喝、ストライキは威力 業務妨害。要求は強要。まるで反社会的団体あつかい だ。そして、逮捕、長期勾留。戦前の暗黒時代が、い ま関西からはじまっている。それは特高刑事が活躍し、 裁判官が人権無視した時代への逆行である。警察も、 検事も、裁判官も、労働運動の歴史に無知だ。労働者 の権利を粗末にする。それが民主主義を破壊している、 との自覚がない。
それでも登場する松尾聖子さんや吉田修さんたち、 生コン労働者の表情は明るい。なぜなら明日を信じて いるからだ。全国の仲間の連帯を信じているからだ。 この映画をみて、勇気をだして自分の職場で闘って下 さい。 いま、時代は逆行しています。労働運動がなくなっ たら、民主主義は墓場です。
鎌田 慧
ルポライター/関西生コンを支援する会共同代表
労組に踏みとどまる労働者の矜持、弾圧ゆえに古い仲間や夫でさえ去っていく哀しみ。その両者を掬う映像が美しく、心をうたれる。
熊沢 誠 (甲南大学名誉教授)
司法と経営一体の大弾圧の陰惨さを吹き飛ばす、男女ミキサー車運転手らの涙と笑いの労働運動。時代の閉塞を押し返すカギがここにある。
竹信三恵子 (ジャーナリスト)
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